ガイドネタ帳 › 関西 › 東大寺 › No.1 インド
No.1インド東大寺

僧正そうじょうになった婆羅門ばらもん — 大仏に目を入れたのは誰か、正史は書いていない

PDF は準備中です
最終確認前この話は、印刷用の PDF を準備しています。文はこのページで読めます。
INTRODUCTION ・ はじめのひとこと

752年、この大仏に目が入れられました。

その前の年、僧正そうじょうという位に就いたのは、南から来たと記される婆羅門ばらもんの僧でした。

名を菩提ぼだいといいます。

In the year 752, the eyes of this Great Buddha were painted in.

The year before, the rank of Soujou was given to a monk written of as a Brahmin who had come from the south.

His name was Bodhi.

752 ईस्वी में इस महाबुद्ध की आँखें खोली गईं।

उससे एक वर्ष पहले, सोउजोउ नामक पद पर वह भिक्षु था, जिसे दक्षिण से आया ब्राह्मण लिखा गया है।

उसका नाम बोधि था।

日本の正史『續日本紀しょくにほんぎ』が、その日を書き残しています。

「夏四月乙酉。盧舍那大佛像成。始開眼。」―― 夏四月乙酉きのととりの日、盧舍那るしゃな大佛像成り、始めて開眼かいげんす。

天皇が東大寺へ行幸ぎょうこうし、文武百官ぶんぶひゃっかんを率いて斎会さいえを開きました。

儀式の格は、元日と同じ。五位以上の官人は礼服らいふくを着ました。

招いた僧の数は、一万。

雅楽寮うたりょうと諸寺の音楽が、みな集まりました。

五節ごせち、久米儛くめまい、楯伏たてふし、踏歌とうか、袍袴ほうこの歌舞が、東と西から声を発し、庭を分けて奏されました。

書き手は、こう結んでいます。

「佛法東歸。齋會之儀。未嘗有如此之盛也。」

仏法が東へ伝わって以来、これほど盛んな法会ほうえはまだ無い。

ところが、この正史は、その日の導師どうしが誰であったかを書いていません。

記事を終わりまで読んでも、名は出てきません。

名が出るのは、570年あとに編まれた本です。

一方で、正史はこの人を確かに記しています。

天平てんぴょう8年、西暦736年の冬10月。

唐から来た僧の道璿どうせんとならべて、「波羅門ばらもん僧菩提」に時服じふくを施した、と。

そして開眼の前の年、天平勝宝てんぴょうしょうほう3年、西暦751年。

「詔以菩提法師爲僧正。」―― 詔みことのりして菩提法師を以て僧正と爲す。

正史は、同じ詔で良弁ろうべん法師を少僧都しょうそうずとしたとも記しています。

この大仏が完成する前の年に、その位に就いていたのが、南から来たと記される婆羅門の僧でした。

RECORDS ・ 記録の言葉

この話のもとになった記録の言葉です。ページは、その本に刷られたものです。

『元亨釋書』巻十五(虎関師錬撰・1322年成立/国史大系本・経済雑誌社)一次史料

『續日本紀』巻十二・巻十八(国史大系本・経済雑誌社)一次史料

菩提僊那 - Wikipedia(ja)

  • 翌天平勝宝4年4月9日(752年5月26日)には東大寺盧舎那仏像の開眼供養の導師を務めている
    「生涯」節(2026年9月26日閲覧)
  • 現在の南インド出身
    冒頭(2026年9月26日閲覧)

South Indian faces & traces in eighth-century Japan: Bodhisena (Univ. of Edinburgh)

  • On this occasion, the Great Buddha’s pupils were painted in, thereby enlivening the statue and transforming it into a religious icon. According to temple records, the one who carried out this action was a brahmin monk from South India named Bodhisena.
    Abstract(2026年9月26日閲覧)

Bodhisena - Wikipedia(en)

  • The painting of the eyes was done by Bodhisena.
    「Life in Japan」節(2026年9月26日閲覧)
FOR GUIDES ・ ガイドのかたへ

PDF の後半 2 ページはガイド用です。読み上げる台本、語り方のコツ、事柄ごとに「どこまで言い切ってよいか」、記録の言葉と原本の切り出しが載っています。お客様用の面の裏に来ないよう、両面印刷で組んであります。

リストに保存