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No.8ポルトガル

パンとボタンは、明治の辞書がポルトガル語から来たと書く言葉

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INTRODUCTION ・ はじめのひとこと

パン、ボタン、カステラ、天ぷら。

どれも、いまの日本語で使われている言葉です。

このうち、ポルトガル語から来たと明治の辞書が書いているのは、パンとボタンです。

Pan, botan, kasutera, tenpura.

All of them are words in everyday Japanese today.

Of these, the ones a Meiji-era dictionary says came from Portuguese are pan, bread, and botan, button.

Pan, botan, kasutera, tenpura.

Todas são palavras do japonês de hoje.

Destas, as que um dicionário da era Meiji diz virem do português são pan, o pão, e botan, o botão.

明治の国語辞書『言海げんかい』は、パンの項に「葡萄牙ポルトガル語」と書いています。

ボタンの項にも、同じく「葡萄牙語」とあります。

カステラについては、記録によって違います。

大正時代の宮武外骨みやたけがいこつの本は、「葡萄牙語のカステーラ」と書いています。

『言海』は、スペインの地名カスティーリャに起こった言葉だ、としています。

そしてオランダ語の Casteel brood、つまりパンを略した言葉だ、と。

天ぷらも、記録によって違います。

昭和の論文は、ポルトガル語の tempero から来た、という長崎の研究を紹介しています。

tempero は、食べ物の材料をうまく合わせる、という意味だといいます。

『言海』は、天ぷらを西洋の言葉だろうとしながら、どの言葉から来たかは決めていません。

スペイン語の Templo、寺の料理だという説は「牽强けんきょうカ」、こじつけではないか、と書いています。

宮武外骨の本は、こうまとめています。「いづれにしても外來語である事だけは確實らしい」。

RECORDS ・ 記録の言葉

この話のもとになった記録の言葉です。ページは、その本に刷られたものです。

大槻文彦『言海』(明治22〜24年)

宮武外骨編『川柳や狂句に見えた外来語』(半狂堂、大正13年)

井上寿子「長崎の郷土料理—主として長崎てんぷらについて—」『調理科学』6巻1号(1973年)41頁

  • ポルトガル語の tempero は,食品の材料を調和結合させるという意味をもっています。 tempra はその訛りであり,日本語のてんぷらは tempero という調理を意味し,更に tempero という調理によってできた食品を意味するようになったといいます。
    p.42
FOR GUIDES ・ ガイドのかたへ

PDF の後半 2 ページはガイド用です。読み上げる台本、語り方のコツ、事柄ごとに「どこまで言い切ってよいか」、記録の言葉と原本の切り出しが載っています。お客様用の面の裏に来ないよう、両面印刷で組んであります。

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