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No.73外国人共通増上寺

増上寺の境内は「軍事必要ノ地理」として軍が管轄した

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INTRODUCTION ・ はじめのひとこと

この増上寺ぞうじょうじの境内は、かつて「軍事必要ノ地理」、軍事に必要な土地と呼ばれていました。

そう書いているのは、兵部省ひょうぶしょうという軍の役所と、東京府が結んだ取り決めです。

境内は軍が管轄し、僧と建物だけが東京府の支配に残る、と決められました。

The precincts of this temple, Zoujouji, were once called "ground necessary for military purposes."

Those words appear in an agreement between the Hyoubushou, the Ministry of Military Affairs, and the Tokyo prefecture.

The grounds were put under the military, and only the monks and the buildings were left to the prefecture.

取り決めの日付は「辛未しんび十月」。兵部省と東京府のあいだで、五つの箇条が決まりました。

一つ目。「芝增上寺境內ハ軍事必要ノ地理ニ付、兵部省ニ管轄スベキ事」。

境内は軍事に必要な地理なので、兵部省が管轄する。

二つ目。住む僧と、寺や寮の建物は、東京府の支配とする。

三つ目。兵部省が寺や寮を借りたいときは、東京府へ申し出る。

四つ目。建物の取り壊しは東京府が許す。山林を伐り払ったり、土地を切り開いたりするには、兵部省の許しが要る。

五つ目。境内に店を開くときは、東京府から兵部省へ申し出る。

兵部省は、東京府への申し入れで、こう書いています。

この境内は、去る戊辰ぼしんの年から、陸軍の兵隊の屯所とんしょ、詰め所の準備として、兵部省が管轄してきた。

けれども寺の僧たちは、東京府の所轄しょかつである。

それで自然と、二つの役所が支配する形になって、都合が悪い。

そして、こう続けます。

「當府下西南ノ要街ようがい、將來ハ必ズ陸軍不可缺ノ地利ちり有之候これありそうろう」。

この土地は東京の西南の要の場所で、この先きっと、陸軍に欠かせない地の利がある。

だから、この一帯をあらためて兵部省の管轄にしてほしい、と。

なぜ西南なのか、何に備えていたのかは、書かれていません。

兵が実際にここに置かれたのかも、この記録からは分かりません。

RECORDS ・ 記録の言葉

この話のもとになった記録の言葉です。ページは、その本に刷られたものです。

東京市編『東京市史稿 遊園篇第四』(東京市、昭和7年)

FOR GUIDES ・ ガイドのかたへ

PDF の後半 2 ページはガイド用です。読み上げる台本、語り方のコツ、事柄ごとに「どこまで言い切ってよいか」、記録の言葉と原本の切り出しが載っています。お客様用の面の裏に来ないよう、両面印刷で組んであります。

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